建築のカラープランニングで考えること(2)

失敗しない建築カラープランニング@福岡

 

2.色から考えないこと

 

壁の色や床の色、インテリアの色などから何色にしようかと個別に考えていくと、
この色に合う色は何かと、悩んでしまうものです。
一カ所の色を真っ先に決めてしまうことで、
周りの色とのバランスがとりづらく、ちぐはぐになります。

見ていて美しい色使いと言うのは、心地よくて違和感がないことです。
そのような調和がとれた配色こそ、快適な住環境の色としてふさわしいものではないでしょうか。
そのためにも、まずは色全体をどのようなイメージで統一していくかを考えることが先決です。

 

(1) イメージを言葉に、言葉を色に

 

“ここをこの色で塗るのはおかしいですか?”という質問をよくされますが、
そのときには必ずこう聞き返しています。

“どんなイメージにしたいのですか?”

すると、そこまでは考えていないという場合がほとんどで、
しかもその色を決めた理由は、”何となく感覚で”、”好みで”、”無難なところで”です。

色の組み合わせ自体はアリでも、希望のイメージに合わないものもあります。
ですから、目先の色の組み合わせばかりにとらわれていると、
全体の調和という目標からどんどん遠のいていくのです。

ですから、まずはどのようなイメージにしたいのか。
色のことは一度忘れて、言葉で考えてみて、
そして、その言葉に合う色を探していくことをおススメします。

その際に、カラーパレットを作るように、
色見本等を並べてみると合っているかどうかが確認しやすくなりますよ。

 

(2) 見るのは色だけではない

 

イメージと色は密接に繫がってるので、イメージを絞り込むことで
カラープランニングが進めやすくなります。

しかし、モノの外観は色だけではなく、形や素材もによっても調和の仕方は違いますので、
色だけでなく、デザインにふさわしい色、素材に合った色を考えることも大事です。

私たちカラーコンサルタントが行っている、カラープランニングは、
カラーコーディネートをしているのではなく、
全体的なイメージを考えてそれに沿った色やデザインを提案していくという
イメージのコンサルティングでもあります。

 

ExColorでは、一時の好みや人の感覚に流されて色を決めないように、
客観的な視点と、十分な調査を基に色のご提案を致します。
九州・福岡でカラープランニングでお困りの方
お気軽にご相談ください。

東京五輪エンブレムのカラーデザイン

昨日から、東京五輪のエンブレム決定のニュースが流れていますが、
皆さんはデザインを見て、どう感じたでしょうか。
もちろん、全員が好きというものは出来ないと思うので、
賛否両論あるのは当然のことだと思います。

私は、デザイナーではないので正直デザイン性については
素人目線の意見になると思いますが、よくイメージが伝わってきませんでした。

 

きっとデザイナーの方は、何かしらの思いやメッセージを込めて作ったのでしょうが、
ダサいとかカッコいいという個人的な好みではなく、
“伝わるかどうか”でいえば、説明されなければわからないという印象を受けました。

 

デザインとしての優れた部分があるのは間違いないのでしょうが、
玄人目線でどんなにすごかったとしても、
デザインのことがよくわからない一般の人に、
なるほどと感じられないのなら、良いデザインとは言えないこともあると思います。
わかりやすい、伝わりやすいはカラーデザインにおいてもとても重要な部分ですね。

新国立競技場のデザインにも何か通ずるものを感じたニュースでした。

 

ちなみに、色の面からいえば、
黒は全ての色が混ざり合った色⇒”多様性”というのは、
あくまでも理論的なことであって、
黒を見た人が直感的に多様性をイメージできるかと言えば、少し無理があるなと感じました。
どちらかと言えば、招致のときのロゴの方が多様性を感じますね。

 

日本人だけでなく、海外の人も含め、
このデザインから、東京五輪に対する良いイメージを共有できたのなら
それは良いカラーデザインだと言えるでしょう。

建築のカラープランニングで考えること(1)

建築のカラープランニング@福岡

1.景観や地域の色を考える

 

建築物のカラープランニングを行う際は、
ただ色の組み合わせがどうかというだけではなく、
様々なことに気を配らなければなりません。
まず、最初に考えるのは、周辺の色のことです。

 

(1) 景観に配慮したカラープランニング

 

自分が購入した家だからと言っても、外壁の色は景観の一部です。
どれだけパーソナルなものでも、思いのままに色を使うとはいかないものです。
近年では、自治体によって使っていい色が決められていますので、
確認することは忘れないようにしましょう。

色の特徴や、色が周りの住民に及ぼす心理的効果を考えるのはもちろんのこと
周りから浮かない色にすることは、建築のカラープランニングの第一歩です。

色を決めたい建物の写真を見るだけでは、カラープランニングは出来ません
ExColorでも、必ず現場周辺の建物までよく調査した上で、
ご依頼主だけでなく、周辺住民の方にもご納得いただけるような色を提案しています。

 

(2) 建築物のカラーから地域の特色をよくつかむ

 

地域毎に歴史や環境に基づいた、よく使われる色や好まれる色があります。
エリアカラーと呼ばれていますが、これも入念な周辺調査を行うことで
より地域に受け入れ易い色使いがわかります。
エリアカラーを上手く利用することは、
店舗や施設のカラープランニングにとってとても重要な意味があります。

ExColorではエリアカラーの調査も承りますので、お気軽にご相談ください。

最近は、新国立競技場のニュースが世間を騒がせていますが、
必ずしも、実績重視で有名なデザイナーに依頼しなくても、
その地域、街を良く知る、日本のデザイナーに任せてもいいと思えてきます。

色も同じく、有名な方が手がけたものだから素敵だという思い込むよりも、
そこに住む人が素直にいいなと思える色の方が、
建築のカラープランニングとしては大成功だといえるのではないでしょうか。

そのためにも、周りの色を知ると言うことは、配色センス云々よりももっと前に
大切なことなのです。

猛暑を乗り切るための色使い

夏を涼しく過ごすための色

福岡ももうすぐ梅雨明け、夏本番という時期に入ってきました。
少しでも快適に過ごすための工夫として、色はとても効果的です。

寒色系は暖色系よりも体感温度が数℃低いというのは有名な話ですが、
実際に、身の回りのものを青系のものばかりにしてしまうのは実用的なアイデアではないでしょう。

そのようなときは、パーソナルカラーのsummerのイメージでコーディネートすると
使える色の幅が広がり、涼しげな印象を演出できますよ。
summerは初夏や梅雨のイメージですが、梅雨が明けた今も、
夏の色は身の回りにまだたくさん溢れています。
是非、涼しげな色を見つけて、生活に取り入れてみましょう。

パーソナルカラーは、ファッションのためだけのものではありません。
日々の生活の中で、様々なことに活用してくださいね。

福岡でパーソナルカラー診断に関することもお気軽に
お問い合わせください。
博多駅より徒歩5分の交通の便のいい場所で診断を行っておりますので、
通勤帰りや、休日のお出かけ帰り
などにもお気軽に立ち寄り頂けます.

カラープランニングでは必ずシミュレーションを

カラープランニングではシミュレーションを行いましょう
カラープランニングをする際に、
色見本の色を眺めながらどの色とどの色にしようかと悩まれたり、
頭の中でこんな色はいいんじゃないかと想像することはよくあると思います。
しかし、頭の中だけで考えた色彩計画を実行してしまうと、実際に色を塗ってしまった後に
“なんかイメージと違う”、”こんなはずじゃなかった”という事態になりかねません。

 

色というのは
その周りにどんな色が来るか、
どのくらいの面積で使うか、
どの部分を塗り分けるのか、
といったことで、見え方や印象が大きく変わってしまいます。
見ていて心地よい配色にするには、色のバランスというのもかなり繊細な部分です。

 

色は正確に記憶することが出来ないものです。
ですから、たった数cm四方の色見本を見て、これが壁の色になったら、
この色をここに使ったらと考えていても、
頭の中で正確な完成イメージを作ることはできないのです。
そして何より、塗装業者様とお客様の間に共通のイメージが生まれません。

 

肝心なのは仕上がりイメージが見える形でカラープランニングすることです。

塗装し直しとなれば、かなりの負担になるわけですから、
納得いく形で計画を立てていきたいものです。

 

ExColorでは、そのカラーシミュレーションを行うのはもちろん、
ただ、数パターンを準備して選んでもらうだけではなく、
その場でお客様の声を聞きながら、一緒に見て確認して頂きます。
“ここをこうしたら?”という希望や疑問に対して、目に見える形で
良いか悪いか納得してもらった上で、カラープランニングを進めていきます。

福岡・九州でカラーのプランニングをお考えの方、
まずは、お気軽にご相談ください。

よくある色のトラブル その原因は(3)

2.表示されている色が正しくない

 

前回は、色を見る環境(光の条件)について書きました。
その次に大事な条件は、色を表示する機器のメンテナンスについての話です。
色を見るための照明(光)が正しくても、実際に色を表示しているものが
正しく表示できていなければ、これもまたトラブルの原因になります。
色は、とにかく正確に伝えることが難しく、そのための準備に気を配らなければなりません。

 

(1) 機械の色は常に正確ではない

 

色を出力する機器は沢山あります。
パソコン、デジカメ、タブレット、プリンタやスキャナなど、毎日のように使う方が多いのではないでしょうか。
それらの機器が示している色は正しいと信用しきっていませんか?

 

人間の感覚には個人差があるのと同じく、機械にも個体差があります。
テレビのボリュームを同じ数値にしても、別の部屋のテレビと大きさが違うように
たとえ同じ機種の機器であっても、表示されている色は微妙にズレているのです。

 

色の場合はRGBやCMYKといった数値で管理しますが、
いくら数値が同じであっても、数値を測るものさしがズレていると意味がありません。
例えば、同じ1cmという長さの線を引くにも、定規のメモリが微妙にズレていれば
違う定規で測った1cmは同じ長さにはなりません。

これを見ているディスプレイでさえ、色の管理をした記憶がなければ
少しズレていると考えていただいた方がいいでしょう。

 

(2) 色のズレを補正する

 

上に書いたように、とにかく色というのものは繊細でちょっとしたことでズレが生じています。
これは機器にトラブルがあるのではなく、あって当然の差なのです。

ですから、正確な色を出力させるには、個々の機器によって生じているズレを把握して、
その差を補正することが必要になります。
このような色の管理は、カラーマネジメントと呼ばれており、
色を出力する全ての機器に関して行うべきものです。

ズレを補正するためには、光(色)を測定する機能のついた機器を使います。
市販の機器(キャリブレーター)は1万円台からありますので、
色を正確に見ることが必要な環境にいらっしゃる方は、
是非一度、このような表示されている色についても一度考えてはいかがでしょうか。

 

ExColorは、九州・福岡を中心に
カラープランニング等の色の提案だけでなく、
色に関する問題解決等に関してもお問い合わせを受け付けております。
色に関してお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

よくある色のトラブル その原因は(2)

1.色が正しく見える環境にいない

 

まず、色のトラブルの根本的な原因としてあげられるのがこれです。
色というのは、光そのものですからその場の光環境で色の見え方は全然違います。
そして光というのはとても複雑で、同じに見える光であっても、
実は、違うという場合が多いのです。
どんなことに気をつけて光環境を作るのかをここでは簡単に説明します。

 

(1) 光によって何が違うのか

 

例えば、同じ白い紙を
白熱電球の部屋で見るのと、青白い蛍光灯の部屋で見るのでは
見え方が違いますね。

人間には、色順応と言って光環境の違いを補正する機能が備わっているので、
どちらも白いと感じることはできますが、
正確に色を捉えることには無理があります。

 

そもそも、照明をはじめとする光の色は、
光の成分によって決まります。
簡単に言うと虹の7色のバランスです。
(本当はもっと沢山の色が含まれていますが)
見た目で同じ色に見えたとしても、成分が違うことがあります。

ですから、単純に見た目の光の色みが同じだからといって、同じ光環境に
いるという判断もできません。
あくまでも大事なのは光の成分です。
 

(2) 正確な色を見るのに必要な光とは

 

先ほど書いたように、大切なのは見た目の色みではなく、
光の成分です。
虹の7色が均等に含まれている光の下では、
色を正しく見ることができます。
そして、その条件を最も満たすのが太陽光です。

では太陽光で物を見ればいいのかというと、その答えは100点満点ではありません。
太陽の光も、天気や時間帯、地域(緯度)によって変わるからです。

ですから、色を見るための光(標準光)には
『北半球における北空からの自然昼光であって、通常、日の出3時間後から日の入り3時間前までの太陽光の直射を避けた天空光』という定義があります。
ただ、これを満足する条件でしか色を見れないとなると、仕事になりません。
また時間帯が同じであっても、天気が違えば自然光は変わります。
雨の日は色を見れないというのでは話になりません。

 

ということは安定性と言う面で現実的な標準光は?と考えると、
人工の照明を使ったことがいいことになります。
ただし、できるだけ標準の光(自然光)に成分が近い人工の照明です。

そして、照明を選ぶ際に、
どれだけ色を正確に見ることができるかという目安となるのが
“平均演色評価数(Ra)”というもの、
100に近いものが標準光に近いと考えてください。

 

私たちは、パーソナルカラー診断は当然のこと、
色見本を見たり、パソコンで作業する場合は
必ず、このRaが100に限りなく近い、色評価用の光で色を見ています。
もちろん、カラーリストだけではなく、
印刷や塗料、映像の現場などでも、かなり厳密な照明管理の下
色のチェックを行っているはずです。

ですから、色を見る比べるというときには、色評価用の蛍光灯のような、
平均演色評価数が高い光が必要です。
意匠性の面で、様々な照明を使うことはあると思いますが、
トラブルを防ぐには、正しい色が見える光を使うべきです。

ファンデーションを選ぶ光、髪のカラーリングを決める時の光、
服を試着した時に鏡で確かめるときの光、
デザインやプランニングの打ち合わせ現場での光、
適切な光か一度確認してみてはいかがでしょうか。

よくある色のトラブルその原因は(3)

 

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